復学支援とは

復学支援とは,一般的にエビデンスのある心理療法を用いた不登校児童,生徒と親への支援を指す。

しかし,心理学をバックグラウンドとしない,特定の成功した(と思われる)年配者の子育てを一般化した「子育て論」を指導する機関も「復学支援」と名乗ることもある。

「子育て論」に類する,特定の家庭での対応方法をあらゆるケースで用いることは当然難があるが,子どもの不登校のタイプがたまたま似通っている,などの理由で効果があることも考えられる。

「我が家での成功例をお勧め」といった,心理療法家などの専門家ではない一般の親がブログなどで情報提供なども昨今多く見られる。

多くは一般の実際の被支援者の体験であったり,支援を受けずに家庭内対応を変えたことで問題改善ができた経験談であったり,実際の体験に基づく状況が書かれている。

実際の験談である場合多いが中には,「子育て論」型の機関自体が集客ツールとしてブログを開設していることもある。

専門家が行う復学支援を始める際に,もっとも重要な点は心理支援者が行う「アセスメント」にある。

「アセスメント」とは「みたて」と呼ばれ,情報収集やケース分析のことを指す。どの児童生徒,親であってもひとつとして同じであることはなく,適した心理療法の選択をするためにはこの分析が誤っていると好転させていくことは難しい。

復学支援のカウンセリングにおいては,不登校の状況,不登校児童生徒本人の傾向,成育歴など確認される情報,内容がとても多い。

そのため,一般的なカウンセリングでのインテーク(初回面談)では,被支援者の負担を考え45分など短めに設定されることがあるが,情報が多く必要な復学支援でのインテークでは2時間など長く設定されることが多い。