4つの不登校傾向と父親および母親との関係

中学生の不登校傾向と幼少期の父母への愛着表象との関連を検討した研究がある。中学生に絞って研究されたものである。

青年期以降のひきこもりは男子の出現率が圧倒的高いことからも,「不登校傾向」にも性別によって違いが見られることが想定された。

「在宅を希望する不登校傾向」は男子が多い

「別室登校を希望する不登校傾向」
「精神・身体症状を伴う不登校傾向」は女子が多い

「遊び・非行に関連する不登校傾向」男女とも父母への「不信・拒否」との正の相関がある

という結果が出た。

四つの不登校傾向

1「別室登校希望する不登校傾向」
2「遊び・非行に関連する不登校傾向」
3「精神・身体症状を伴う不登校傾向」
4「在宅を希望する不登校傾向」

「別室登校希望する不登校傾向」

別の研究で男子の約6倍の割合で女子の保健室登校生徒が表現することが示されていた。この研究においても,別室登校希望する不登校傾向の指標は女子が高い結果となっている

「遊び・非行に関連する不登校傾向」

父親への信頼感は「教室での反抗的な気分」を低減
母親への信頼感は「反社会的傾向」を低減

「精神・身体症状を伴う不登校傾向」

「精神・身体症状を伴う不登校傾向」は神経症傾向の不登校傾向といえる。
分離不安と多くの関連がみられた。
Mahlar&La Perriere(1965)子どもの分離不安が思春期に持ち越されると,その後の精神病理の要因となる

「在宅を希望する不登校傾向」

女子に比べて男子において高い値が見られた。
主に異性の親への「安心・依存」「不信・拒否」との間にに相関傾向が見られた。

親を困らせることと親へのこと拒否的な愛着表象に結び付いていること,さらにその背景に安心感の伴う愛着関係の確立についての欲求があることが推測されるとした。

これに関しては,不登校になる子どもたちが,学校に行かずに家にいることで親を困らせることになると認識するかは疑問である。不登校の子どもたちはしばしば「悲しい顔をしないで」と親に言うことが経験上見られる。

参考文献

Bolby,J(1969) Attachment and loss
五 十嵐 哲 也萩 原 久 子(2004) 中学生の不登校傾向と幼少期の父親および母親への愛着との関連  教育心理学研究
Mahler,M.S ,La Perriere,K. (1965) Motherchild iteracation during separation-idividuation