不登校をもつ親の対応(中学受験を経て不登校になった場合)

中学受験を経て不登校になった場合の親の対応を説明しましょう。

中学一年生で欠席など不登校症状が見られた場合

中学一年生の11月ごろまでに始まる不登校は,大まかに分けて二つのケースが考えられます。

中学受験で起きた不適応と中一ギャップと呼ばれる環境の変化への不適応の二つです。

中学受験で起きた不適応とは,中学校での不適応をまだ起こしていない(中学校内の問題を探しても原因が見当たりません)ことが特徴で,中学受験をした子どもの不登校独特の不登校症状です。

中一ギャップと呼ばれる環境の変化への不適応を起こした不登校は,小学校から中学校に進学して環境が大きく変わったことに適応できず不登校になるケースです。このケースの不登校は公立中学校に進学して不登校になったケースとほぼ同じ状況の不登校と言えます。中学校でどのようなギャップ(小学校との差異)に不適応を起こしたのかを分析します。

中学2年生以降に欠席など不登校症状が見られた場合

中学受験をして中高一貫校,国立中学校,私立中学校へ通っている子どもの中学二年生以降の不登校は,中学受験をさせたことが原因になっている不登校である可能性は高くないと考えます。

ただし,不登校にはなっていなかったが中学一年生のときにも欠席が見られていた場合このケースには当てはまりません。

中学受験不適応

中学受験自体の不適応の場合は,小学生時代の様子で判断します。学校での様子では判別がしにくいことが多くあります。そのため,受験をすることで,学校を休ませて受験を受けさせる小学6年生の三学期だけでなく,学習塾に通わせてきた時期やその状況を判断材料にします。

中学受験期に不適応症状が見られず,小学校での不登校が見られなかった場合は,「中一ギャップ」と呼ばれる小学校と中学校の環境の変化に適応できなかったケースと同様に判断します。

環境の変化に適応できなかったと判断できた場合,環境変化のどの部分に強く辛さを感じたのかを分析します。

次に不登校のきっかけになったと考えられる環境の変化を挙げます。
新しいメンバー

小学校での人間関係は学校の規模にもよりますが,多くの場合は大きな幼馴染のグループと言えます。もちろんこの幼馴染のグループ構成の小学校での不登校になるケースも多くありますが,この構成メンバー内ではキャラクター設定やポジションが明確でその役割をうまくこなせていたが,その構成メンバーが変わることで新しいポジション取りがうまくいかず中学生から不登校になるケースも多くあります。

課題
このタイプの不登校は,新しい構成メンバーが追加されたときにポジション取り(椅子取りゲーム)に苦手意識があること多いため,再登校,復学後もクラス替えや高校進学などステージが変わるときには注意を払っておいてやる必要があります。

勉強面がきっかけの不登校タイプ

勉強面がきっかけの不登校タイプと聞くと「そこまで成績が下がっていなかったからウチは違うかな」と考えがちです。勉強面がきっかけの不登校にもいくつかパターンがあります。

勉強に対して疲れを感じてしまうパターン
「高校受験しなくていいから」と中高一貫校の中学受験を子どもに勧めてしまっているケースが見受けられます。問題は中高一貫校で学校が生徒を受け入れるメリットは,中高の勉強を6年間で一貫してカリキュラム化を行い,大学受験に強い生徒を作りやすいということです。

つまり,中高一貫校に入った途端大学受験のために,公立小学校とは全く違う目的をもって授業が進むのです。学校のレベルによって授業難易度に違いはあります。しかし,どの中高一貫校においても共通するのはハイスピードな授業です。中学二年生までに中三課程まで終わらせて,中三からは高校課程を始める学校が多くあります。もちろん高校課程に進んだ際に中学課程の復習もできる目算が学校にあるためで,無謀なハイスピードで進めるわけではありません。

また,進学校の多くで補習などフォローを手厚く行うため,公立中学校のように学習塾のプラスのコストが削減できるとアピールしている学校もあります。たしかに,補習など学校側のフォローがきちんと整備されている学校がほとんどですが,問題は補習など学校のフォローを受ける生徒たちのメンタリティーです。

中学受験組の生徒においては,小学校まで学校から提供される学習カリキュラムについていけなかった経験のある生徒はほとんどいません。それどころか小学校時代までは,「学力の高い子ども」というポジション取りをしていることが多くあります。学習塾も補習的学習塾ではなく,小学校では習わないハイレベルな学習範囲,学習方法であることもあります。

そのようなバックグラウンドの生徒が,中学に入った途端平凡な成績のが「学力が普通の生徒」というポジション変更を余儀なくされます。そういった子どもたちの精神的な負担はあまり注視されずにきました。

勉強に対して小学生時代は自信があったがそれを失ったパターン